医学部において部活に入るべきか

今回は医学部で部活に入るべきかについて書いていこうと思います。

 

医学部志望または医学部に今入ったばっかりの方がよく抱く疑問だと思います

 

自分も新入生のころ、この疑問は持っていました。ただ大学に入学してちょっとすると、みんな部活に入りだして「おれ部活だから、今日はちょっと無理だわ」みたいな会話が飛び交い始めるんですね。

 

そうすると、自分も早くどっか部活に入らなきゃって気持ちになって、雰囲気のよさそうな部活に入部したわけですが、部活に入ってもう丸5年、結局入らなきゃいけないものだったのか、どうだったのかという話ですが、、、

 

結論から言います。

 

絶対どこかには入るべきです(一度は)。

 

これからその理由について書いていきたいと思います。

 

自分が考える医学部で部活に入るべき理由として、7つほどあげられます。

 

①他の人から、「君何部?」と聞かれたときのため

②社会性を身に着ける

③上下のつながり

④情報

⑤運動

⑥居場所

⑦青春

 

以上が自分が考える医学部で部活に入るべき理由です(①~⑦で優先順位はないです)。順に説明していきます。

 

まず①他の人から、「君何部?」と聞かれたときのため、です

 

どういうこと?とみなさん思うかもしれませんが、正直これが一番「一度は絶対」部活に入っとくべき消極的理由です。

 

実習が始まると、各科の先生方とお話しすることが増えます。またほとんどの先生はそこで初めましてです。そうなると大体「君どこ出身?」「何科志望?」「何部?」とこれらは絶対聞かれます。というか、それぐらいしか話すことないです。となると、科を回る、先生に会う度に「何部?」と聞かれることになります。

 

自分は1年半ほど実習しましたが、すでに数百回は「何部?」と聞かれたと思います。またこれは医学生の間だけでなく、研修医になっても、専門医になっても聞かれることがあります。「先生、何部だったの?」と。この時、部活に入ってないと、しゃべることがありません。

 

また医学部では部活に入ってない人は「ちょっと変な人なのかなぁ」という印象を与えます。

 

うーん、だからどうしたっていう話ですが、これから何百回、何千回と「先生、何部?」と聞かれる度に「部活6年間入っていませんでした」と言って、不思議がる先生になぜ部活に入っていなかったかを説明するの非常に面倒くさいと思います。

 

というわけで、後の話題のためにも部活とりあえず何かしら入っときましょう。

 

②社会性を身に着ける、ですが

 

まず新入生は少なからず、常識のない子が多いです。

 

例えば、敬語を使えない、頻繁に遅刻する、コミュニケーション(報連相)不足、なぜかプライドが非常に高い、先輩の車の中で味噌汁食うなどです。これらは別に非難している訳ではなく、医学部とこれまでの生活の常識がちょっと異なるのもあります。

 

また今までは勉強だけある程度できていれば、他は多少多めに見られていたのが、大学に入るとそうもいかなくなるってこともあるかもしれません。

 

何を隠そう、かつての私自身も常識のない新入生の一人でした。様々なことをやらかし、複数回、部長や先輩に呼び出されて、説教されてました(みな私が明らかに悪いんですが)。で、ある程度矯正されたと思います。

 

また大学の部活は今までの部活(中高)と違い、言ってしまえば完全に烏合の衆です。

 

医学科も看護科もその他の医療系学科(あれば)も入ります。出身地も違いますし、年齢も違います。学士さんもいるかもしれません。競技や部活に対するモチベーションも違います。ガチ勢もいれば、飲み会だけ楽しみにしてる奴もいます。

さらに都会の中高一貫進学校で育ってきたような人にとっては、今まで関わったことがないような人と関わることにもなるでしょう。

 

ということで、部員それぞれ、生まれも育ちも年齢も、部活や競技、飲み会にたいするモチベーションも全然違います。

 

この中で、(うまくいかないこともあるかもしれませんが)一つのチームとなって動いていく、仲良く円滑に活動していくというのは、これからの人生を生きる上でも非常にいい勉強になる経験だと思います。

 

ただ、みんな頭おかしい部活(各大学少なくとも一つはあります)に入った場合、逆にまともな人間から頭おかしい人間に矯正されるかもしれません(笑)。

 

③上下のつながり ですが、

 

医学部において上下のつながりは非常に重要です。普通に授業受けて、テスト受けてだと、横のつながりしかできません。これは情報的な面はもちろんですが、上の先輩は数年後の自分の姿です、数年後自分がどうしているかイメージする上でも重要です。

また上下で仲がいいと、楽しいです(単純ですが(笑))。

 

④情報ですが、

 

今時テストの過去問は大学のlineで流れてきますし、情報に関しては部活に入っていようがいまいが、大して変わらないと思います。部活に入っていなかったからと言って、情報がなく飢え死に(情報不足による留年)するわけではありません。

 

ただ部活に入っていることが、情報面で役に立つこともあります。

 

特にどのテストがやばい、どのテストがぬるいっていうのは、先輩からの情報で結構重要です。

 

どの科目も100%全力でやるっていうのは、ほぼ不可能です(山ほどテストあるで)。落としたらまずい(真面目にやらなきゃまずい)ところは80%程度でやって、どうでもいいところは30%ぐらいでやると楽に進級できます。

 

あと大体どの部活も、部活独自に資料(医学部のテストの資料)があって、それが結構役に立ったりします。

 

⑤運動ですが、

 

これは運動部に入った場合ですが、運動ができます。大学生になると、運動部に入らない限り、やはり運動する機会がないので、運動不足になります。

 

その面でも部活に入った方がいいと思います。

 

⑥居場所です。

 

これは非常に重要です。

自分もコロナで一度失ってから気づいたんですが、少なくとも自分にとって部活は「居場所」でした。

 

大学に入ると、多くの人が一人暮らしをすることになります。そうすると、やっぱり慣れないし、ちょっと孤立気味になるんですね。今までだったら、家に帰れば、家族という絶対的な「居場所」があったわけです。各家庭によるかもしれませんが、学校などで何かあっても、また家庭内で喧嘩しても、家族から永久に追い出されるってことはないと思います。何かあっても、ひどいことをやらかしても、最終的にどんなことでも受け入れてくれる絶対的な「居場所」があったわけです。

 

ただ大学に来て、新入生として一人暮らしすると、ちょくちょく薄いつながりはあっても、そういう今まであったような絶対的な「居場所」がなくなります。

 

その点、大学で初めて一人暮らしをした自分にとって部活は新しい「居場所」でした。

色々みんなでどこか遊びに行ったり、もし何かあっても、自分が多少やらかしても(笑)、最終的にはみんな受け入れてくれる。

そういう意味で自分にとって部活は「居場所」でしたし、非常に重要でしたね。

 

まぁこれが部活である必要はないんですが、部活が居場所になりえるケースもあるということで。

 

⑦青春(笑)ですが、

 

高校までで十分部活とかやったし、もういいよって方もいるかもしれませんが、

大学の部活は、②で申し上げたようにおそらく今までの部活とちょっと異なります。

 

また部活もないと、大学生活は、授業、テスト、(バイト)の繰り返しで終わります。

(まぁ部活に入っていても、部活、授業、テスト、(バイト)の繰り返しで大学生活終わるんですが)

 

部活に入っていると行事とかも色々ありますし、色々な人と関われるなど、ちょっとはメリハリができます。

 

ちょっとは青春できるんじゃないでしょうか。

 

と、ここまで部活に入るべき理由を書いてきたわけですが、やはり、部活に入ることで生じるデメリットも存在します。

 

これ以降は部活に入ることで生じるデメリットを書いていきたいと思います。部活に入ることで生じるデメリットは主に以下の3つがあげられます。

 

①時間的問題

②金銭的問題

③人間関係

 

では順に説明していきます。

 

①時間的問題ですが、

 

運動部であれば、大体週3回ほど練習があることが多いです。これに加えて行事もありますし、飲み会などもあります。そうすると、結構な時間を取られることになります。

 

他にバイトもあると、

部活のある日(平日) 9時~16時:大学の授業、17時~19時:部活、19時~20時:練習後に部員でご飯、21時~テスト勉強(テストがあれば)、その後ちょっとダラダラして就寝。

部活のない日(平日) 9時~16時:大学の授業、18時~バイト、21時~テスト勉強(テストがあれば)

部活のある日(土日) 9時~12時:部活、12時~13時:練習後に部員でご飯、ちょっとダラダラして、19時~部活の飲み会(あれば)

みたいな生活になるわけです。

 

そんなに忙しいわけではないですが、部活に入ると時間的余裕はなくなります。大学生活が部活、テスト、バイトで終わります。他に何か色々したい、新しいことを始めたい!って人は部活を引退するまで、まとまった時間は取れないかもしれません。

 

②金銭的問題ですが、

 

先ほど申し上げたように、部活に入ると色々と行事や飲み会が発生します。そうするとそこに当然お金がかかります。また練習後にみんなでご飯に行ったり、その際に後輩におごったりすると、これもまたお金がかかります。

 

さらに運動部だと、西医体、東医体というのがあって、これに行くのに関しては、宿泊料なども含めて毎年10万円以上かかる場合もあります。

 

また行事、飲み会があるといいましたが、これらはある程度強制参加なことが多いです。

 

飲み会に関しては、中には飲めない人、飲みたくない人もいるわけですが、そういう人でも一回6000円ほど(一次会、二次会)払って、飲めもしない飲み会に参加する必要があります(基本的に)。

 

自分の部活でも、この飲めない、飲みたくない人が、飲み会自由参加にしてほしいという旨のことを言って、多少議論になったこともあるんですが、それぞれ飲み会には趣旨がある(本新歓、追いコン、幹部交代会など)ということで、基本強制参加が貫かれました。

 

こう色々あって結構お金はかかるかもしれないです。特に兼部していると、ダブルでお金がかかるので、結構な費用負担になります。

 

③人間関係ですが、

 

人間関係で問題になることもあります。

 

部活や、競技、飲み会に対するモチベーションが人によって異なるので、そこで衝突が起こったり、また幹部になると、幹部内で衝突が起こることがあります。また、恋愛で部員の間でもつれがあったり、ひどい別れ方をするとどっちの肩を持つかでちょっと部内が割れたり、まぁ色々あります。

 

大学の部活に限らず、まぁどこでも色々ありますよね。

 

あと医学科の場合6年間いることになるので、最初の1、2、3年ぐらいの時は楽しいんですが、5年、6年といるとうんざりしてくることもあります(コミュニティーが狭いんで)。

 

人間関係に関してはこんな感じですかね。

 

とまぁ、以上デメリットに関してはこんな感じです。こう書くと、結構デメリットが多く感じてしまうかもしれません。

 

ただ先ほどあげた部活に入るべき理由から、一度は部活に入ることをおすすめします。

 

部活に入ったが、どうしてもいやになった、時間的、金銭的余裕が欲しくなった、他の部活に入りたくなったとなれば、やめればOKです。部活によりますが、途中でやめたり、途中で入ったりってことは結構あります。

 

1年生から6年生まで何が何でも拘束されるものではありません。

 

まぁ色々書きましたが、ほとんどの部活入ったら楽しいと思います。

 

楽しみにしておいていいと思いますよ。