医学部6年間の流れ(どうやって医者になっていくか)
どうも、こんにちは。
今回は医学部での流れを書いていきます。
1回生から6回生まで順に学年別に書いていきます。
長々書くのもしんどいし、書ききれなくなっちゃうので、比較的簡潔に書いています。
お付き合いいただければ幸いです。
では行きましょう。
【1回生】
まずはピカピカの1回生。
若さがまぶしいですねぇ(笑)。
おそらくまずどの大学も入学式の前にごちゃごちゃと説明会があります。
そこで、同期と初めて会うことになります。
(SNSか何かでそれ以前から医学部の同期となる人とコミュニケーションとってた人もいますが。)
早めにしゃべれる奴を作っときましょう。
情報を共有して、みんなからおいていかれないためにも重要です。
で、新歓があります。
みなさんが想像しているものの倍ぐらい、勧誘激しいです。
みなさん、ひかないでくださいね(笑)。新歓しているのは2回生が中心です。
あなた方のたった一個上です。本気でひかれるとメンタルにきます(笑)。
で、自分は2.3個ぐらいしか行かなかったんですが、いろいろ行っておいた方がいいと思います。
全然知らない人の中に行くので疲れると思いますが、飯もタダですし、また同期の知り合いも増えます。
それで何個か新歓行って、どこかの部活に入部しましょう。(部活についての記事は後程書きます)
それで授業ですが、基本は本学で他学部の人が受けてるような共通教育を受けます。
一応忠告しておきますが、死ぬほどつまらないです。
他学部も偏差値が高いような大学(東大、京大、阪大など)は共通教育も結構ガチみたいですが、地方大学ではうんこみたいなくだらない授業を一年間延々と聞かされます。
最初みんな医学を勉強することにワクワク、目をピカピカさせて入学してくるんですが、まずやらされることは非常にくだらない共通教育です。
ここで、ほとんどの学生は勉強に対するモチベーションを失います。
進級に関してですが、おそらくどの大学でも一回生はまず間違いなくみんな進級できます。
1回生は結構時間があるので、1回生のうちに遊んでおきましょう。
【2回生】
で、2回生です。
1回生のころは何分なれないもので、多少黒歴史をつくることもありますが、ここら辺になるとだんだん大学生活にも慣れてきます。
自分は2回生が一番楽しかったですね。
部活に関してですが、今度は自分たちが新歓して、新入生を獲得してくる番です。
いっぱい新入生を入部させましょう。後輩ができて部活も楽しくなります。
そして2回生といったら何といっても解剖ですね。(東大は3回生から?みたいですが)
基本的に2回生のはじめごろから解剖が始まります。
実際の遺体を解剖するということで、受験生の方々など恐怖心を持っている方もいるかもしれませんが、
ご遺体はすでに亡くなっておられるので、当然ですが全く動きません(いきなり動いてびっくりさせてくるなんてことありません)。
また血も出ません(血は固まってます)。
死臭もしません(独特の非常に強い薬品の臭いがしますが)。
倒れる人がでるとかいう話も聞きますが、自分の代はいませんでした。
ただいきなりメスわたされて切れって言われるので、最初はちょっとビビりますね。
まぁ、開始30分ぐらいでみんな慣れます。安心してください。
あと解剖実習で一番大事なのが班ですね。
解剖実習は5.6人の班で献体を1人提供されて、共同作業で手引きに沿って解剖していきます。
で、解剖って朝から晩まで部屋に閉じ込められて、3か月程度ずっと同じ班員で共同作業するんですね。
班が良かったら天国です。本当に楽しいです。
ただ班が悪かったら地獄です。だいたい毎年、もめる班が何個か出ます。
あとずっと朝から晩まで一緒にいるということで、何組かカップルが誕生します。
かわいい子と同じ班になった方はラッキーです。
また解剖実習は覚えることが多いので、テストはちょっと大変です。
大学によっては解剖のテストが厳しいところもあるみたいですね。
ただ解剖の知識は医学の基礎になる極めて重要な知識なので、真面目に勉強しときましょう(どうせすぐ忘れますが)。
使うのはこの解剖の手引きって本です。たぶんどの大学もこれ使います。
高いし、解剖が終わったらもう使うこともないんで、貰うか、中古で買いましょう。
この小説、結構解剖実習での話が多めに書かれてるんですが、
解剖実習終わってから読むと結構面白かったですね。
解剖実習前に一回読んで、解剖実習後にまたもう一回読むのおすすめです。
また2回生の授業ですが、解剖以外は基礎医学の授業になります。
一応忠告しておきますが、くそつまらないです。
ピルビン酸がどうのこうのとか、TLRがどうのこうのとか、少なくとも自分は一切興味がわきませんでした。
解剖以外の基礎医学は、臨床医学とのつながりが見えにくいです。(病理、ウイルス、細菌、寄生虫はそうでもないかもしれません)
しかも教える人が、基礎医学の研究だけやってるような偏屈な医者(教授)で、別に教えるプロでもなんでもないので非常に理解しにくいです。
また教授の研究分野を延々と聞かされることもしばしばです。
またテストの合格基準がシビアなことが多々あります。
しかもそこで聞かれるのは、おそらくそのテストが終わったら二度と使うことのないであろう知識です(医師国家試験に基礎医学は基本でません)。
メンタル的にもかなり辛いです。
別に臨床やってるわけでもないんで、暇なんでしょうね。
大学によっては2回生が進級の壁ということも多いそうです。
【3回生】
次は3回生です。
部活では中堅どころですね。早いものです。
大学、部活によりますが、4回生が夏の西医体、東医体で引退すると、冬から幹部になります。
現役生では一番上です。
で、勉強に関しては待望の臨床医学が始まります。
待望とか書きましたが、そのうちだんだんみんなあきて、授業でスマホをいじるか、寝るようになります。
大学の授業全般に言えるのですが、これ別にプロが教えるわけじゃないんですよね。
じゃ誰が教えてくれるのかっていうと、臨床医学に関しては普通に大学病院で診療している先生がスライド作って講義してくれます。
忙しい中わざわざスライド作って、講義していただいて本当に頭が下がるんですが、まぁ、なんというか、、非常につまらないです。すみません。
で、教科書は基本みんなこれを使います。病気がみえるシリーズです。
こんな絵本みたいな本はダメだ!男は黙って成書だ!っていう教官もいますが、
↑こんなもん読めるか
というわけで、普通に病気がみえるシリーズを買って勉強しましょう。
これは基本的に6回生の国家試験の勉強まで使う非常に重要な参考書です。
これに関しては最新版を買いましょう。
あとテストはちょっと大変ですね。覚えることも多いんで。
ただ、基礎医学の時のような理不尽なテストはあまりない印象です。
また合格基準も基礎医学のときより、緩い傾向があります。
テストを作るのも普通に大学病院で診療、手術している医者です。
忙しいしあんまり再試験とかしてる暇ないんで、よっぽどじゃなかったら適当に受からせるっていう感じです(もちろん大学によりますが)。
【4回生】
4回生です。
部活に関しては基本的に夏の西医体、東医体にでて、その後引退することになります。
引退後も部活に行く、行かないは人によります。
また勉強に関しては、これも大学によりますが、残りの臨床科目のテストをこなした後、10月、11月前後にCBT、OSCEがあり、その後、臨床実習(ポリクリ)が始まります。
そのため4年は初めの半分が授業で、残りの半分は実習を行うことになります。
それで、CBT、OSCEとはなんぞやという話ですが、これらはいずれも臨床実習に入る段階で、ちゃんとある程度の知識、手技が身についているかを確認するテストです。
CBTではいままで勉強した基礎医学、内科、小児、産婦、マイナー科の知識をコンピューター上でテストします。
↑こんな感じのやつです。一日かけて300問近く解きます。
字小さくてフォントも見にくいですよね。本番もまさしくこんな感じです。
OSCEは主に、診察の流れ、技術をテストします。
CBT、OSCEはよっぽどでない限り、ほとんど全員受かります(これも大学によって異なりますが)。
CBT、OSCE合格後にstudent doctor という資格を与えられ、大学病院での実習(ポリクリ)が始まります。
合格すると↑こんな感じの認定証がもらえます。
もらえると結構うれしいです(笑)。
なくすと再発行に5000円近くかかるらしいので、なくさないようにしましょう。
ポリクリですが、大学病院にあるすべての診療科を大体1診療科2週間ずつおよそ1年かけて回ります。
実習、何するかって話ですが、
先生の外来に入って見学したり、手術の術野に入ったり(縫合とか最初メスで切ったりとかはやらしてくれることもあります)、カンファにでたり、入院患者の診察したりします。
あと先生のレクチャーがあります。
というわけで、3.4回生の時の講義の内容を覚えていなくても大丈夫です。(というか、みんな基本的にそのころになったらほとんど覚えてないです)
もう一回教えてくれます。
実習は基本的に先生の後ろにくっついていくだけです。
実習期間中は、1~4回生最初の講義がある時より、かなり時間があります。
他学部での大学生ぐらいには時間があります。
またテストもないので、精神的に楽です。
この時期に新しく趣味を始めたりする人もいます。
【5回生】
次は5回生です。
5回生は一番特に何もない学年です。
一生実習してるだけです。
ただ5回生の後半ごろからクリクラが始まります。
やることはポリクリと同じなんですが、外病院での実習があります。
遠いところだと宿舎に2週間とか1か月ほど泊まって、実習に行きます。
大学病院と比べると、来る患者さんの層とか集まる疾患も全然違うので新鮮です。
おそらく医学部6年間で5回生が最も時間があると思います。
遊んだり、いろいろ新しいこと始めてみましょう。
【6回生】
そして最後6回生ですね。
自分はまだ6回生ではないので、大まかな流れと先輩からの話で書きます。
6回生はやはり最後の学年ですし、ちょっとバタバタするみたいですね。
まず6回生の夏まで、引き続きクリクラがあります。
その後、夏休み期間の7.8月に初期研修の就職試験(マッチング)があります。
受けたいところを選んで、何個か受けます。
地域枠以外の人は、出身大学以外でもどこでも東京だろうが大阪だろうが、沖縄だろうがどこ受けてもいいです。
その後10月前後に卒業試験があります。
これは大学独自の試験で、各科の先生が出したいように出します。
これに合格すると2月に行われる国家試験に合格しようがしまいが、卒業になります。
それに加えて10月の末にマッチングの結果が発表されます。
ここで決まった病院に春から就職することになります。
マッチングでどの病院にも受からなかった場合は、2次、3次でどこかしら就職先を探すことになります。
また卒業試験が終わると、もちろん実習も終わり、学校に来なくてよくなります。
あとは2月に行われる国家試験にむけて勉強することになります。
国家試験の勉強には、基本的にみんな参考書に先ほどの「病気が見える」、問題集に上記の「クエスチョンバンク」、あとどこかの映像講義(Q-assist、mecなど)をとって勉強します(自分はQ-assist使ってます)。
これはおそらくどの大学でも同じでしょう。
というわけで、地方大学に来ようが、都心部の大学だろうが、国家試験の勉強においてはほぼ格差はないと思います。個人がどれだけ勉強するかです。
それで2月第一週に医師国家試験が行われ、3月中旬ごろに国家試験の結果が発表されます。
合格していれば、春からマッチングで決まった研修先で初期研修医として2年間働くことになります。
【結び】
これが大まかな医学部6年間の流れです。
かなり駆け足で書いてきましたが、いがだったでしょうか。
自分が受験で初めて今自分の通っている大学に来た時、ちょうどポリクリの実習生でしょうか、白衣を着た2.3人に出会って、かっこいいなぁ、すごいなぁと思ったわけですが
自分がいざその代になると、かつての受験生のころの自分とほとんど変わっていない、むしろ劣化していることに気づきます(自分だけかもしれませんが(笑))。
医師になるためには、医学部でいっぱい勉強して、いっぱい努力して、普通の人以上のことをしないと医師になれないんじゃないか、そう思う方もいると思いますが、(1回生ごろの自分はそう思ってました)
とりあえず、(進級のきびしくない)医学部ではみんなと同じことをやって、最低限Dutyさえこなしておけば、気が付かないうちに医師免許はもらえます。
ということで、安心してください。医学部にさえくれば、ぼーっとしていても最低限医師にはなれます(笑)。
その上で、やはり大学というのは人生最後の余暇、暇な時間が比較的あるときですから、
部活にバイトに恋愛にと色々な人と関わって、色々失敗もして(笑)、素敵な人間になれるよう、大学生活楽しんでください。
そのためにも、受験生の方は勉強頑張ってくださいね。
応援しています!
※上記の内容は大学、地域にによって多少異なる場合があります。